パンチの空いた本
本なんて、パンチ穴を開けた紙の束で売ればいいのではないだろうか。
みんな「マイバインダー」を持って、そこに本を挟むようにすれば、一冊という単位に縛られず、バインダーの厚さが許す限りは、何冊持ち歩いてもよい。仕切りのカードを挟んで、そこから後ろに、お気に入りの本のお気に入りのページを集めた物を常設しておいてもよい。小説のお気に入りの場面、まんがのコマ、詩、ビジネス格言集、参考書のテスト範囲……。
本屋では、本ごとの専用のバインダーを置いてそこで売る。買う時はレジに運んで、店員が中から紙の束だけ外し、客に渡す。当然、ファンは、タイトルや表紙絵、写真が入ったそのバインダーを欲しがるだろうから、マーチャンダイズとして売ればいい。まんがの原画やアニメのセル画のように、プレミアを付けて、プレゼントにしてもよい(そして転売される)。
バインダーの方も、専用デザイナーが生まれて気に入った物を買うようになったり、好きな写真家の写真入りにしたり、イラストレーターの一点物を大事にしていたり、iPhoneケースのように方々で作って売られるようになるだろう。
どうして、こういう形の売り方がされてこなかったのだろうか。