アペフチ

原宿駅から神宮前交差点を望む

原宿駅表参道出口を出て右に進み、すぐの交差点から神宮前交差点側を向くと一ブロック離れたその交差点はまるで壁で、視界はその向こうまで通るけれど交差点のところで意識はくっきりと区切られていた。左手前には並木が一本植えられ、道を挟んだ右側にも対応するようにまた一本並べられているそれらの十歩前方にやはり一本ずつ。それと同じ並木が神宮前交差点の方からも向かってきていて、やや曲がった道なりに遠近法で少しずつ左右の幅を広げ向かってきていた。両方から伸びた並木の丁度ぶつかるところに目線は定まって、その時意識に入り込んでくるのは自動車よりも歩行者、そこの横断歩道で信号待ちしている人達だった。
道の半ばまで進んだ僕はその待ち行列の後ろに並ぶ、のではなく、対岸に向かって一番右にいる人のさらに右に立つ。視界の端の焦点の合わない部分を並木から垂れ下がった枝葉が占めてやや薄暗い中誘導される視線は横断歩道に沿っていて、その向こうに道幅一つ分左にずれて奥に入る小道がある。僕はそこを通って通勤する。その入り口を見詰めながら軽く仰ぐとそこは対岸の木の左側になっていて空が青い。青い空を見た時のすっと抜ける感じで僕は今日の自分の調子がいいのを知る。
信号が青に変わった。